距離適正
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短距離血統
ダッシュ力とスピード能力を伝える血統。仕上がりが早く、2歳戦から活躍することが多い。近年は短距離戦が多い2歳戦から活躍できる競走馬へのニーズが高くなっている。また、距離に融通性を持たせるため、スピードタイプの種牡馬×スタミナのある血統の牝馬という配合も好まれている。
また、短距離〜マイラーの体型は、胴詰まりで、特にトモの筋肉が発達し、全体的にコロンとしているのが特徴で、サクラバクシンオーやジェイドロバリーの産駒に多く見られる体型。首が高く、軽快な先行力があるが、追い比べに弱い面が見られる。
世界的に見ると、短距離馬は大型馬であることが多いようだが、国内の短距離馬には瞬発力に優れた小型馬が少なくない。これは、ほとんどが直線コースで行われる海外の短距離レースと違い、日本のスプリント戦は小回りのコースで行われるためと考えられている。
長距離血統
距離が長いほど好走するステイヤータイプの産駒を多く出す血統。晩成型であることが多い。ヨーロッパで長く育まれた血統などが該当する。かつて多くの英国ダービー馬や凱旋門賞馬が日本に輸入されたが、活躍馬を出せず、種牡馬の墓場といわれた。英国トップサイヤーのサドラーズウェルズの直仔種牡馬は日本では不振だが、オペラハウスを通じてテイエムオペラオーやメイショウサムソンをだした。
ステイヤーとしての適正は、胴が長くすっきりとした小型の体型に表れると言われている。
首が低く、軽快なスピードはないが、追い比べになると強さを発揮する。長距離馬は、道中のペース配分が重要であるため、素直でおとなしいことが多いようで、ブライアンズタイム 、サッカーボーイ、サクラローレルなどの産駒が中長距離で活躍している。
万能型
サンデーサイレンスの産駒は1200m〜3200mのG1を制していて、こうした種牡馬は距離を問わない万能型といわれる。ただしサンデーサイレンス自身は短〜中距離向きの血統構成で、6〜10ハロン(1200〜2000m)で勝ったが、米3冠最後のベルモントS(12ハロン=2400m)では8馬身差の2着に大敗した。つまり、自身の競走成績にかかわらず、母系の能力を引き出すことに長けている種牡馬がこのタイプとなる。
ノーザンテースト、サンデーサイレンスなどの大種牡馬ともなると、単純に産駒の頭数も多いが、特にサンデーサイレンスには母方の距離適性を引き出すという傾向があるようで、短距離〜マイル路線で記憶に新しいデュランダルから、天皇賞(春)や菊花賞を勝ったマンハッタンカフェやディープインパクトまで、どの距離でも名馬を輩出している。 |
勝ち距離ランキング
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長距離向きの種牡馬
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馬名 |
芝平均 |
ダート平均 |
総合順位 |
1 |
テイエムオペラオー |
2000m |
1630m |
47 |
2 |
ステイゴールド |
1989m |
1575m |
11 |
3 |
エルコンドルパサー |
1983m |
1700m |
34 |
4 |
チーフベアハート |
1969m |
1716m |
29 |
5 |
ティンバーカントリー |
1933m |
1704m |
39 |
6 |
ジャングルポケット |
1943m |
1705m |
16 |
7 |
コマンダーインチーフ |
1925m |
1468m |
48 |
8 |
ホワイトマズル |
1907m |
1630m |
24 |
9 |
ブライアンズタイム |
1850m |
1579m |
14 |
10 |
マヤノトップガン |
1847m |
1700m |
26 |
2400m以上で実績のある馬が多い。中でも目立つのがジャパンカップ出走馬(1,2,3,4,6,8)で、1,3,6はその勝ち馬。また6は日本、7はイギリス・アイルランド、8はイタリアのダービー馬。7,8は80年代欧州最強馬といわれたダンシングブレーヴ産駒だ。
短距離向きの種牡馬
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馬名 |
芝平均 |
ダート平均 |
総合順位 |
1 |
ボストンハーバー |
1200m |
1217m |
35 |
2 |
コロナドズクエスト |
1230m |
1334m |
32 |
3 |
サクラバクシンオー |
1285m |
1245m |
9 |
4 |
スウェプトオーヴァーボード |
1360m |
1302m |
30 |
5 |
マイネルラブ |
1360m |
1420m |
33 |
6 |
トワイニング |
1440m |
1470m |
43 |
7 |
タイキシャトル |
1467m |
1438m |
15 |
8 |
アフリート |
1483m |
1433m |
21 |
9 |
ファルブラヴ |
1508m |
1537m |
46 |
10 |
バブルガムフェロー |
1533m |
1414m |
31 |
3は日本競馬史上屈指のスプリンター、7は日本調教馬として初めて欧州GTを制した名マイラー。その他では、2,4,5,6,8がミスタープロスペクター系。9は2002年のジャパンカップ勝ち馬だが、父のフェアリーキング産駒には早熟のマイラーが多い。 |